この章では、OpenAMのインストールと初期設定の方法について解説します。OSは、CentOS 7.0を使用しましたが、Windowsやそれ以外のOSでも基本的な手順は変わりません。
まずは、Javaがインストールされているか確認します。
$ java -version
openjdk version "1.8.0_101"
OpenJDK Runtime Environment (build 1.8.0_101-b13)
OpenJDK 64-Bit Server VM (build 25.101-b13, mixed mode)
Javaがインストールされていなければ、yumコマンドでOpenJDKをインストールします。
$ yum install java-1.8.0-openjdk
yumコマンドにより、Tomcat 7.0をインストールします。
$ yum install tomcat
Tomcat起動時のJVMオプションには、以下を指定して下さい。
-
-server
-client(クライアントVM)ではなく、-server(サーバーVM)を使用してください。通常、サーバーVMはクライアントVMよりも起動が遅いですが、長期的には実行速度を速くします。 -
-XX:MaxPermSize=256m
Permanent 領域の最大値は256 MBに設定します。 -
-Xmx1024m
OpenAMは、少なくとも1 GBのヒープを必要とします。組み込みOpenDJを含める場合は、そのスペースの50%がOpenDJに割り当てられるように、OpenAMには最低2 GBのヒープを設定します。システム構成によってはさらに追加のヒープを必要とします。
$ vi /usr/share/tomcat/conf/tomcat.conf
# 以下を追加
JAVA_OPTS="-server -Xmx1024m -XX:MaxPermSize=256m"
その他にも障害発生時の解析などのために、ガベージコレクションやヒープダンプに関するオプションは指定することをお勧めします。
server.xmlのConnectorタグにURIEncoding="UTF-8"を追記して下さい。いくつかの画面の文字化けや文字コードに起因する問題を回避できます。
<Connector port="8080" protocol="HTTP/1.1"
connectionTimeout="20000"
redirectPort="8443" URIEncoding="UTF-8" />
ForgeRock社のサイトから、OpenAM 13.0.0のwarファイルをダウンロードできます。
https://backstage.forgerock.com/#!/downloads/OpenAM/OpenAM%20Enterprise/13.0.0/OpenAM%2013
情報
ダウンロードするにはアカウント登録が必要です。
ダウンロードしたら、/usr/share/tomcat7/webapps/以下にコピーします。OpenAMのデプロイが完了したら、Tomcatを起動します。
$ mv OpenAM-13.0.0.war /usr/share/tomcat7/webapps/openam.war
$ systemctl start tomcat
Tomcatの起動が確認できたら、次のURL(※)にアクセスして下さい。
http://openam01.example.co.jp:8080/openam
※この場合、ホスト名はopenam01.example.co.jp:でTomcatのポート番号は8080、コンテキストパスはopenamです。
デプロイが正常に完了していると、初期設定画面が表示されます。 「カスタム設定」の「新しい設定の作成」のリンクをクリックします。
ライセンス条項が表示されるので、内容を確認して「Continue」をクリックして下さい。
手順1: 一般
デフォルトユーザーのパスワードを入力して、「次へ」ボタンをクリックします。デフォルトユーザー「amadmin」とは、OpenAM管理コンソールでOpenAMの設定をするための管理者アカウントのことです。
手順2: サーバー設定
サーバーURLに「 http://openam01.example.co.jp:8080 」を、Cookieドメインに「.example.co.jp」を入力して、「次へ」ボタンをクリックします。プラットフォームロケールはen_USのままで構いません。
手順3: 設定データストア設定
初めての初期設定なので、「最初のインスタンス」を選択して、「次へ」ボタンをクリックします。
手順4: ユーザーデータストア設定
「OpenAMのユーザーデータストア」を選択して、「次へ」ボタンをクリックします。「OpenAMのユーザーデータストア」とは、OpenAMに内蔵されているディレクトリサーバー(OpenDJ)のことを意味します。
手順5: サイト設定
今回はロードバランサは使用しないので、「いいえ」を選択して 「次へ」ボタンをクリックします。
手順6: デフォルトのポリシーエージェントユーザー
デフォルトポリシーエージェントユーザーのパスワードを入力して、「次へ」ボタンをクリックします。パスワードは先程入力したamadminのパスワードとは異なるものにして下さい。
最後に設定に誤りがないことを確認して、「設定の作成」ボタンをクリックします。
初期設定が実行されます。
しばらくすると「設定が完了しました」というダイアログが表示されます。以上で、インストールと初期設定は完了です。
この中にある「ログインに進む」のリンクをクリックすると、OpenAM管理コンソールのログイン画面が表示されます。
「amadmin」と手順1で設定したパスワードを入力して、ログインすることができます。