みさき:「あたし、届いてる。」
美咲:“我,到达了。”
晶也:「届いてる?誰かからメール来たのか?」
晶也:“到达?谁给你发信息了吗?”
みさき:「あの時、晶也、あたしを届けてくれて言ったよね。」
美咲:“那个时候,晶也,你说过会让我到达的呢。”
晶也:「え、あー、届くも届かないも、それはこれからだよ。」
晶也:“欸?啊,有没有到达这事,这才刚刚开始吧。”
みさき:「違うよ。あたしはもう届いてる。」
美咲:“不是的。我已经到达了。”
晶也:「…え?」
晶也:“欸?”
みさき:「乾さんや明日香と向き合えるなんて少しも思わなかった。自分が小さくてつらくて泣きそうだった。」
美咲:“我几乎没想过自己能够与乾同学和明日香站在同一个高度。自己是那么的渺小,痛苦地我都要哭了。”
晶也:「…」
晶也:“...”
みさき:「恐くて恐くて心が捻じ曲がって、明日香が佐藤院さんに負ければいいって、そんなこと思ってた。そしたら嬉しいな、って。」
美咲:“无尽的恐惧扭曲了我的心。我还想过,要是明日香输给佐藤院同学就好了,那样的话,我会多开心啊。”
晶也:「…うん。」
晶也:“...,嗯。”
みさき:「明日香のこと好きなのに、明日香はいい子なのに、自分が曲がってたから、そんなこと思ってた。あたしが悪いのに自分がダメなのに、明日香もダメになればいいって」。
美咲:“明明是喜欢明日香的,明日香明明是个好孩子,却因为自己的扭曲,想了那样的事。明明是我很坏,明明是我不行,我却想着要是明日香也不行就好了。”
晶也:「…」
晶也:“...”
みさき:「ひどいことかんがえて…でも今は明日香の前に立てる。変なこと考えなずに立てる。わかる。ここにいる。なんていえばいいのかな?えっと…」
美咲:“考虑了很过分的事情啊...但是现在我却能站在明日香面前了。不想任何奇怪的事情,站在她面前。我能理解她。我就在这里。怎么说好呢...”
みさきはじーっと考えてから、
美咲稍微考虑了一下,然后
みさき:「あたしのままで、あたしがここにいることが恐くない。晶也が届けてくれたから。」
美咲:“我不仅还是我自己,而且我再不惧怕站在现在这个地方。是晶也带我来到这个地方的。”
晶也:「そっか。俺はみさきを届けることができたんだ。」
晶也:“这样啊。我已经带美咲你来到了这个地方啊。”
みさき:「別に綺麗な心になったわけじゃないし、汚いっていうのかな?そういうのはちゃんとある。あるけど、そういうのを気にせずに立ってられる。全部あたしだって認めることができる。」
美咲:“并不是说心灵变得多美丽了,不如说它还是污浊的吧。还是有很多污浊的地方呢。虽然如此,我也能在不介意它们的情况下站在这里了。我已经能够全部将它们承认了。”
晶也:「夏休みはむだじゃなかったんだな。」
晶也:“我们没有白费暑假呢。”
みさき:「うん!こんな有益な夏休みは初めて。夏休みについて作文を書きたい気分。…届けてくれて、あ、ありがとう、晶也!」
美咲:“嗯!这样有益的暑假还是第一次呢。我都想以暑假为题写一篇作文了。带我到这里来,谢,谢谢你,晶也!”
晶也:「どういたしまして。俺も嬉しいよ。」
晶也:“没事。我也很开心呢。”
みさき:「あははは。そっか、あたし…こうなんだ。ちゃんとこうなれるんだ。こういう気持ち、久しぶりだ。凄い!凄いぞ、あたし!」
美咲:“啊哈哈哈。原来,我...原来是这样的啊。原来我变成这样了。这样的心情,久违了。厉害,我真厉害!”
みさきは幼い女の子みたいに、両手を広げてくるくると回った。
美咲像小女孩一样,张开两手咕噜咕噜地转起了圈。
みさき:「あはははははは。あっ」
美咲:“啊哈哈哈,啊!”
みさきはピタッと回るを止めて、
美咲突然停止了旋转、
みさき:「明日香のことバケモノて言ったのあやまらないと。」
美咲:“说了明日香是怪物这事,必须要向她道歉啊。”
晶也:「明日香は言われたことに気づいてないんだから、わざわざ言ってあやまる必要はないって。素直なのが偉いわけじゃないんだからね」
晶也:“明日香也没注意到这事,所以也没必要特地跟她道歉吧。并不是说直率就很了不起哦。”
みさき:「…そうかもね。」
美咲:“也许吧。”
みさきは苦笑しながらいった。
美咲苦笑着说。
ざわり、と寒気がした。
晶也:「…」
俺の背中に何かが張り付いている。
―見えているぞ。
心の中でそいつに話しかける。
背中に隠れていてもわかっている。おまえは黒いアメーバのような何かだ。
それは嫉妬だ。いやしっとじゃない。嫉妬という言葉に当てはめるといろんなものが抜けていく。嫉妬よりももっと、ひどい感情。
出てくるな。引っ込んでろ。今は、消えろ!
俺は気分転換に見えるようにため息をついてから、
晶也:「届くのは大会後の方が良かったかもね。」
みさき:「どうして?」
晶也:「どうしてって。試合のモチベーションというかテンションというか、そういうのが下がるんじゃないのか?」
みさき:「そんなのは全然変わんないよ。負けるのが余計に恐くなった。余計に必死に勝たないとって思う。」
晶也:「どうして?」
みさき:「次はあたしが晶也を届ける番だもん。そのためには勝たないとね。」
晶也:「みさきが勝ったら俺は届くのかな?」
みさき:「当然、届くでしょう?救った相手が結果を残したら、自分のしできたことが間違いじゃなかったって思えるのでは?」
晶也:「そうだな。」
俺は肯定して欲しいんだろうか?そんなことはいろんな人がしてくれた気がする。
俺は―何を求めているんだ?
みさき:「自分のためにも晶也のためにも、あたしは勝つよ。」
晶也:「よし!やるか!」
みさき:「やろー!」
みさきは両手をあげて無邪気に叫んだ。