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hakatashi committed Apr 3, 2017
1 parent 048acbe commit 012685e
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42 changes: 42 additions & 0 deletions hakatashi.re
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Expand Up @@ -675,6 +675,48 @@ TIM-8はメモリ部分に@<kw>{DRAM}を採用しているためZ3と単純に

=== トランジスタ

本編では「トランジスタは質の高い高純度シリコンの精製が必要であるため難しい」と述べましたが、
異世界でのトランジスタの製造は全くの不可能というわけではありません。

マグネシウムを何らかの方法で入手するか、大電力の発電設備とアーク炉を整えることによって、
「化学的に」純粋なシリコンを製造することは、まあまあ可能です。
しかし、そこから「電子工学的に」純粋なシリコンを精製することは、かなり困難を極めます。

シリコンの精製法として比較的古くから知られているものに、@<kw>{チョクラルスキー法}が存在します。
これは溶融したシリコンを注入した坩堝に種結晶を浸け、
結晶を育てながら、ゆっくりと回転させ引き上げるというものです。
言うのは簡単ですがこの製法には適切な温度管理とクリーンルーム級の空気清浄が必要であり、
量産するどころか、僅かな量を製造するのすら難しいでしょう。

ちなみに@<kw>{ジョン・チョクラルスキー}がこの方法を発見したのは、
ペンにインクを付ける際に、誤ってインク壺ではなく溶解した錫の容器にペンを突っ込んだのが原因だと言われています。
実はこのうっかりミスは電子工学の歴史における単一障害点であり、
このミスがなければ電子工学の発展が何年遅れたかわからないとも言われています。

異世界の魔法を用いてチョクラルスキー法の問題をクリアする、ということを夢想することもできます。
例えば、絶妙な温度管理には炎系の魔法を、クリーンルーム級の空気清浄には風系の魔法を、
引き上げられたシリコンインゴットへのドーピングには土系の魔法を……などと考え始めると、かなり夢が広がります。
が、それだとあまりに魔法に頼りすぎるので最初からこの方法を検討することはやめておいたほうがいいでしょう。
もしあなたに転生先で多くの魔道士と知り合うだけの人望があり、
そのうえ少年漫画的な展開をお望みなら試してみるのもいいかもしれません。
あなたのコンピューター計画に少年漫画のようなオチが付くことは保証しませんが。

=== 量子コンピューター

@<kw>{量子コンピューター}は、リレーやトランジスタのような素子とは全く異なる動作原理で動くコンピューターです。
そもそも現在時点で研究が完成してない上に、ナノレベルの金属加工が必要になるため現実的ではないでしょう。

=== DNAンピューター

@<kw>{DNAコンピューター}は、DNAに対する酵素などの生体反応を利用して計算を行うコンピューターです。
こちらも現時点で研究が完成してない上に、遺伝子の読み出し・書き込みには膨大な設備が必要になるため現実的ではないでしょう。

=== 流体コンピューター

大穴というかなんというか、一見無謀に見えて意外と現実的に考慮可能なのが@<kw>{流体コンピューター}です。



== おわりに

「異世界に転生したら現代技術の知識で無双できるのでは?」
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